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心理アブスト

このブログでは、心理学系の論文を簡単にまとめて紹介してます。 寝る前、電車の中など時間のある時に、更新している趣味ブログです。

思考の発達 ピアジェの発達段階論を基に、これまでのまとめ











これまで、言葉と運動について触れてきたため、次は思考についてまとめようと思います。

発達心理学者のピアジェは、子どもたちの観察から、
思考が4つの段階を経て発達していくことを明らかにしました。
前回までの記事では、2歳頃までの発達について触れてきたため、
今回は生まれてから2歳頃までについての時期である、
『感覚運動期』を基に整理していきたいと思います。


1.感覚運動期
頭ではなく、身体を使って考える時期
みる、さわる、なめる、たたくなど、その結果生じる感覚を通して外の世界を知る
このような思考を、ピアジェは感覚運動的知能と呼び、さらに6段階に分けました。

第一段階:反射の行使(誕生~1ヶ月)
 原始反射により、外界との接触が始まります。(原始反射についてはこちら
 反射に過ぎなかった行為が、次第に能動的、適応的なものへと変化していきます。
 例えば、初めは把握反射に過ぎなかったが、
 次第にものを上手につかめるようになるような変化が見られてきます。


第二段階:第一次循環反応(1~4ヶ月)
 みる、すう、つかむ、聞くなど、単純な動作が出来るようになると、
 偶然それらが結びつくことにより循環反応が生じます。
 例えば、「親指が口元にふれる」「吸う」という動作が結びつきにより、
 指しゃぶりになっていきます。

第三段階:第二循環反応(4~8ヶ月)
 ものを見て、掴む、口元へ運ぶといった動作が見られる時期です。
 目と手の協応が成立することで、自分の身体以外の「もの」が、
 赤ちゃんの世界に入ってきます。
 ものを見て、掴んで、口元に運ぶことを楽しんでいると、
 ふとした時に、おもちゃを落としたとします。
 偶然それが音の鳴るおもちゃだったとき、
 ただ手にとること、掴むこと、なめることを楽しんでいた赤ちゃんが、
 手を話したことで、ものが落ち、音が鳴るということに気がつきます。
 これにより、自分の世界だけでなく、外の世界に関心を向けるようになるのです。
 この偶然の結果を、確認するようにして何度も同じ行動をとるようになります。

第四段階:第二次循環反応の協応(8~12ヶ月)
 手段と目的が分化され始める時期です。
 これまで獲得した反応パターンを協応させて、目的をかなえようとします。
 例えば、少し高いところにあるナニカを見つけたとき、
 寝返りやハイハイを駆使してナニカに近づき、
 掴む行為から、立ち上がる行為へとつながり、ナニカをとる目的を達成させます。 
 色々な反応パターンから、新しい掴まり立ちという行為を獲得していき、
 さらに行動の範囲を広げていきます。
 また、共同注意が見られる時期でもあります。(共同注意についてはこちら
 「あっ」といって、ナニカに対して指を指すと、大人はナニカを言い始める。
 このやりとりを楽しむ中で、『言葉』の存在により注意が向くようになります。


第五段階:第三次循環反応(12~18ヶ月)
 行為と結果の結びつきを『実験』しながら学んでいく時期です。
 ボール遊びでは、転がす・落として弾ませるなど、
 自分の行為が、どのような結果をもたらすのか、繰り返しながら、
 結果を予測できるようになっていきます。
 試行錯誤を繰り返すことで、新しい手段・方法が獲得されていきます。

第六段階:心的表象の発現(18~24ヶ月)
 『洞察』が始まる時期です。
 頭の中でイメージを浮かべて考えることが発達してくることで、
 これまで身体を使って行っていたことを、頭の中でするようになります。
 頭の中で考えて、より状況にあった行為をとることが出来るようになります。

感覚運動期の特徴として、対象の永続性の獲得があげられます。
第四段階頃から獲得され始めるものです。
例えば、赤ちゃんにおもちゃを見せ、興味を示した時に布で隠してしまうと、
8ヶ月くらいの赤ちゃんはおもちゃを探そうとせず、
おもちゃが無かったかのような振る舞いを見せます。
しかし、第四段階以降(8ヶ月以降)になると、
布をとっておもちゃを探し出せるようになっていくとされています。
しかし、この段階では、隠される場所が移動するのを見ても、
移動先ではなく、元の場所を探し続けてしまいます。
この二重の移動が理解できるのは、感覚運動期の最終段階になります。














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喫煙とADHD症状について











私は頭の中で何かを考えている事が多く、
疲れたなぁと感じることがありました。


この記事を書くきっかけになったのは、
2023年1月19日から禁煙を始めたことからでした。
1度だけ煙を呑んでしまいましたが、
それ以降喫煙をせず、
約1ヶ月程タバコを手放すことが出来ています。


これまで1日35本前後のタバコを吸っていましたが、
禁煙を始めてから頭の中で何も考えていない時間があることに気が付きました。

そういった体験から論文を漁り、
この記事を書きながら整理していこうと考えました。

喫煙が※ADHDにもたらす影響については、
まだ明確にされているものではありません。
あくまで体験したことからの興味関心を記事にまとめているだけに過ぎません。

その点を考慮した上で、
ご覧いただければと思います。

※ADHDとは注意力、衝動性、多動性に関する問題を含む注意欠陥/多動性障害です。










喫煙は、注意力を低下させ、不安やイライラを増加させることが知られています。

そのため、喫煙が既にADHDの症状を持つ人々にとって、症状を悪化させる可能性があります。


菅原敬一, 遠藤裕幸, 田口英幸, 金杉明子, 菊地伸宏, 山下賢治. ADHD 症状に対する喫煙と飲酒の影響に関する研究. 2015. 精神神経学雑誌. 117(11), 893-904.

では、
成人のADHD患者と非ADHD対象者に対して、
自己申告による喫煙や飲酒の状況、ADHD症状、うつ病症状などの関連について検討しています。

この論文では、ADHD患者は非ADHD者に比べて、喫煙率が高いことが示唆されました。


また、ADHD患者の中で喫煙している人は、していない人に比べて注意欠陥・多動性症状が重かったことも明らかになりました。


具体的には、
・情報の処理が遅れる
・細かい注意力が続かない
・活動に集中しづらい

・落ち着きがない
・言動が先走る
・危険を冒してでも刺激を求める

といった面で、より強く表れると報告されています。










タバコを吸うことで、気持ちがリラックスしたような感覚を得たり、集中しやすくなる感覚が得られたりと、体感としてはメリットも多いように思われます。

しかしながら、それは喫煙時による一時的なものであり、長期的にはADHD症状を悪化させている可能性が考えられます。

禁煙をすること自体がとてもストレスフルで、禁煙する方が精神衛生上悪影響だと思っていた時期もありました。

しかし、今現在としては、頭痛や倦怠感、疲れやすいといった自覚症状は無くなり、仕事への集中、思考の整理のしやすさ、言語化のしやすさなどの生活面に良い影響が見られるようになりました。

その為、成功体験が増えたり、仕事の効率が上がったことで余裕もうまれたりしたことから、ストレスを感じにくくなり、休日はこれまでよりも活発に動けるようになりました。



最後に私の経験的なものを述べてしまっていますが、私はこのような現状にあるため、禁煙をして良かったと考えています。


私と同じように、頭の中が忙しいと感じる感覚や
、言動が先走ってしまうこと、情報処理能力が悪いように感じるなどの感覚が見られる方は、1度タバコを手放してみては如何でしょうか。


私と一緒に、禁煙頑張りましょう。


今日も、これからも多分、タバコは吸いたいであろう私による思考の整理でした。


ここまで見て下さりありがとうございました。







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何故私がこんな目にと考えた時の為の、究極的意味技法の活用 Approaching Worldview Structure with Ultimate Meanings Technique











Approaching Worldview Structure with Ultimate Meanings Technique
究極意味技法で世界観構造に迫る
著者:Dmitry A. Leontiev
https://doi.org/10.1177/0022167806293009


人は辛い経験をしたり、喪失体験をしたりなど、
ストレスを感じると、「なぜ」と問うことがあります。

では、何故このように、人は人生に意味を問うのでしょうか。
人生の意味を問うことは、人間にとって普遍的な課題の一つであるとされており、人間の本質的な問いの一つとも考えられています。


人は、自分自身が生きる意味を見つけることで、自分自身についての理解を深め、心の安定や生きがいを見出すことができます。


また、人生の意味を問うことは、人生の目的を見つけるための重要な手段となる場合があります。
さらに、人生の意味を問うことは、個人だけでなく、社会的、文化的な意味を持つことがあります。人生の意味は、文化や社会の慣習や価値観によっても異なるため、人生の意味を問うことは、個人だけでなく、社会や文化についても考えることができます。
この為、人生の意味を問うことは、人生において重要な変化や転換点に直面したときにも役立ちます。人生の意味を見つけることで、自分自身にとって大切なことや、自分の人生において重要なことを再評価することができます。


つまり、人生の意味を見つけることで、自分自身の人生に対する方向性を見いだすことができる場合があります。

人生の意味を問うから得られる臨床的意義として、自己理解やアイデンティティの形成につながると考えられています。










人生の意味を問うことで、自分自身の価値観や信念、人生における目的や意義についての洞察を得ることができます。これによって、自己理解やアイデンティティの確立に役立つとされています。


また、人生の意味を問うことは、ストレスやうつ病などの精神的な問題に対するセラピーとしても有効とされています。


例えば、人生の意味を見失ったり、人生において重要なものを見失ったりした場合には、心のバランスを崩すことがあります。


人生の意味を問うことで、自分自身の人生における価値や目的、人生において大切なものを再確認することができ、自己肯定感を高め、ストレスやうつ病の緩和につながるとされています。

Ultimate Meaning Technique(UMT)の心理臨床的効果については、いくつかの研究が行われています。
UMTを用いた認知行動療法と標準的な認知行動療法を比較したところ、UMTグループは自己評価や自己効力感、生活満足度の向上、うつ症状の軽減などの良好な結果が得られたと報告されています(Aslani et al., 2017)。

また、別の研究では、UMTを用いた意味志向療法が、がん患者のQOL(生活の質)の向上につながることが示されています(Van der Spek et al., 2017)。


これらの研究からは、UMTが心理臨床的な効果をもたらす可能性があることが示唆されています。

しかしながら、UMTの臨床的活用についての研究は少なく、より多くの研究が必要であり、現時点ではUMTの心理臨床的な効果についてはまだ確定的な結論を得るには至っていないとされています。


特に、重度の精神障害を抱えている人、自殺リスクがある人、あるいは極端に不安や恐怖を抱えている人は、UMTを行う前に他の治療を受ける必要がある場合があります。また、過去に心的外傷を経験した人には、UMTを行う前に専門的なカウンセリングが必要である場合があります。










まだまだ開発途上のような技法ではありますが、
UMTは、自己探究や人生の意味探しに役立つとされており、そのプロセスがストレスを軽減することがあるとされています。


UMTは、自分自身の人生についての考えを整理し、自分自身の価値観や目標を再確認し、人生の方向性を見出すことができるため、それによってストレスや不安を軽減することができるかもしれません。


人生の意味を見出すことで、人のQOLは高まることが知られていますが、
人生の意味を探求する過程は、人が出来るストレスを軽減させる為のひとつの方略なのです。


頭の中で色々な考えが巡ってしまうのであれば、
UMTにより、自身の価値観を顕在化していくことも考えられます。


ただし、1人で考え込まず、周囲の人や臨床心理士や精神科医などの専門家に相談することを忘れてはいけません。

論文はこちら

参考文献
Aslani, K., Hassanabadi, H., & Bahrami, F. (2017). The effect of ultimate meaning therapy on quality of life and spiritual well-being of patients with breast cancer: A randomized controlled clinical trial. European Journal of Integrative Medicine, 15, 16-22.
この研究では、乳がん患者にUMTを行うことが、QOLおよび精神的・宗教的な健康にどのような影響を与えるかを調べたランダム化比較試験が行われました。結果として、UMTを受けたグループは、対照群と比較してQOLと精神的・宗教的な健康が向上したと報告されています。
Van der Spek, N., Vos, J., van Uden-Kraan, C. F., Breitbart, W., Cuijpers, P., Knipscheer-Kuipers, K., & Verdonck-de Leeuw, I. M. (2017). Meaning-centered psychotherapy in cancer patients: a systematic review and meta-analysis. Psycho-Oncology, 26(3), 377-387.
この研究では、がん患者にUMTを行うことが、意味志向療法においてどのような効果をもたらすかを検討したシステマティックレビューとメタ分析が行われました。結果として、UMTを受けたグループは、うつ病、不安、ストレスなどの症状が有意に軽減したと報告されています。また、UMTを受けた患者は、治療前と比較して、人生の意味や目的についてより深く考えるようになったという報告もありました。








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WISC-Vの強み・弱みのプロファイルの妥当性について The Validity of WISC-V Profiles of Strengths and Weaknesses










WISC-Vの強み・弱みのプロファイルの妥当性について
The Validity of WISC-V Profiles of Strengths and Weaknesses
著者:Peter F de Jong
Journal of Psychoeducational Assessment, 07342829221150868, 2023
この論文では、オランダのWISC-Vを用いて、5つの指標得点の妥当性、特に新しく出来た流動性推理指標と視空間指標が独立しているかということの検討をしていました。
結果として、弱い相関が見られるものの、両者は独立していると考えられるようです。
今後、より分析を深め、研究を発展させていく必要はあるものの、WISC-IVで知覚推理(PRI)とされていたものが、独立した指標として解釈が出来る可能性を示唆した貴重な論文でした。

読み間違えていなければですが…
英語論文を正しく読み取れるだけの英語力を持ち合わせていないので、
誤りであった場合はご指摘いただけますと幸いです。

論文はこちら









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言葉の発達 言葉を育む上で大切なこと









乳幼児期のお子さんに関する相談で多いのが、「言葉の遅れ」に関する相談です。
ここでは、生まれてから1歳3ヶ月ごろの言葉についてまとめていきます。
生まれたての赤ちゃんは、「泣いて」都合が悪いことを周りの人に知らせてくれます。
そして、「誰かが反応してくれる」という経験から、自身が環境に影響を与えることが出来るということを知り、それが喜びや、有能感を得るきっかけとなっていると考えられています。
 生後6ヶ月頃になると、喜びや悲しみ、嫌悪、驚き、恐れなどの基本感情が芽生え、表情も豊かになっていきます。基本感情が育まれていくと、「泣き」の種類も変化し、怒りを伴った泣きや、悲しみの泣きなどが見られてくるようになります。
 くすぐり遊びや、いないないばあをするなど、親と赤ちゃん、大人と赤ちゃんの間で関係性が出来てくると「自分と人」という認識を持つようになります。また、おもちゃなど、物に興味を示すようになることで「自分ともの」という認識が育まれていきます。こうした、1対1の関係を「二項関係」といいます。
 9ヶ月頃になると二者の関係から世界が広がり、自分と人とそれ以外、自分とものと人、など三者の関係が育まれていきます。この三者の関係を「三項関係」といい、言葉の発達に置いてとても重要なものになってきます。
三項関係が育まれていくことで、指差し行動が見られるようになったり、大人が指さした方向を見たりするように、他者と関心を共有することが出来るようになっていきます。これを「共同注意」といい、会話の始まりであると考えられます。指差しを覚えると、「あっ」と声にして大人に知らせ、見ているものを共有しようとします。大体、1歳から1歳3ヶ月頃には多く見られるようになる行動になってきます。
この頃に多い相談としては、「おもちゃにしか関心がない」「テレビばかりずっと見ている」などというものです。以前にもお話をしたように、お子さんの発達には個人差はあります。とはいっても焦りや不安を抱くのは当たり前のことです。楽しく子育てをするために、子どもの相談が出来る場所で、今のお子さんにあった関わり方を相談されると良いでしょう。
言葉の発達を促す関わりとして一般的に言われているのが、「子どもが注意を向けているものにあわせて声をかける」ということです。自分が興味を向けているもの以外への関心が薄い場合、いくら「わんわん」を覚えてもらいたくても、見てくれなければ理解に繋がりませんし、「コミュニケーション」として認識されません。その為、子どもが犬を見ていたら「わんわんだね」と声をかけていくことが大切です。「自分と犬」という二者の関係に、声掛けをすることで第三者の存在を認識させていき、三項関係を育むことが出来ると良いでしょう。また、子どもが遊んでいるおもちゃを指さしながら「ぶーぶー」といったり、子どもの遊びを真似したりすることで、第三者の存在を意識させていくのも良いでしょう。
このようにして、子どもが「自分と人」「自分ともの」以外の第三者を意識できるようになると、「あっ」と指差し、大人が「わんわんだね」というこのやりとりを楽しむようになります。やりとりを楽しめるようになると、次に育まれてくるものが、大人の発している言葉です。「ママ、今なんて言ったのかな?」などのように、大人の話している言葉に注意が向くようになります。言葉に注意が向くことで、目の前にあるものと名前が一致するようになったり、赤ちゃんに「ばいばいー」と手を振ると「ばい」と言いながら真似をしたりするようになります。語彙を蓄えたり真似をしたりしながら言葉を学んでいき、その先に見られるのが「話す」という行為になります。
色々な刺激を受け取りながら、子どもたちは日々少しずつ、突然大きく成長をしていきます。その為、喋ってもらうために沢山の言葉を浴びせるのではなく、一緒に見ているものを共有しながら、言葉というコミュニケーションの道具を認識させていくことが大切です。
ここまで書いていて、心理学的視点が少ないなぁと感じたので、
次回は、前回まとめた子どもの運動面の発達と、今回まとめた言葉の発達をベースに、
愛着や発達に関する理論を絡めていこうと思います。

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こどもの発達は面白い

こどもが生まれてから2-3年までの間、こどもを見ていると毎日何かしらの変化が見られたり、出来ることや沢山練習した結果出来るようになったりすることが見られるようになります。特に生まれてから1年間は毎日驚いてばかりでした。
 生まれてすぐ(0ヶ月頃)は、原始反射と呼ばれる反応を楽しむことができます。

おもな原始反射

【吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)】
 唇に触れたものを強く吸おうとする反応です。ミルクをあげるときに、唇に乳首をあてると、口を大きく開けて吸い付きます。下唇に人差し指をあてるだけでも同じような反応が見られて可愛いです。
【把握反射】
 手のひらに刺激を与えるとしっかり握り締めようとします。「赤ちゃんが握ってくれた!」と反応してくれたかのように見えるため、喜ぶ父母、ジジババは多いですが、自動的に身体が動いているだけです。
【モロー反射】
 大きな音や眩しい光、振動などの強い刺激を受けた時に、さっと両手を伸ばして広げ、しがみつくような姿勢をとります。朝、寝室の電気をつけると「なんだなんだ!?」と慌てふためくような様子が見られますが、自動的に身体が動いているだけです。
【歩行反射】
 赤ちゃんの両脇から支えてあげ、立つような姿勢をさせて両足を床につけると歩くように両足を動かします。めちゃくちゃ可愛いです。
【バビンスキー反射】
 足の裏をかかとから爪先に、下から上に向かってゆっくりとこすると、親指が甲の方にそりかえり、他の4本の指は扇のように開きます。あまりにも可愛いので一生見ていられますが、数ヶ月で見られなくなります。
どの原始反射もとても愛らしいのですが、数ヶ月で消失します(全てではないです)。
原始反射は脳幹・脊髄の中枢神経によるものと言われており、大脳皮質が発達するに伴って、自ら考えて身体を動かすようになっていきます。
発達は、何かを喪失する代わりに、なにかを獲得していくのです。
「等価交換だ!原始反射をくれてやるから随意運動をくれ!」ってやつですね。




ちなみに運動能力の発達にも法則があります。
①頭部から手足へ
 ・首がすわり(4ヶ月頃)
寝返りができるようになり(6ヶ月頃)
一人座りが出来るようになり(7ヶ月頃)
ハイハイをし始めます(8ヶ月頃)

私の場合、キッチンでご飯を作っていたら、子が泣きじゃくっていたため見てみると

 ・つかまり立ちをしていました(9ヶ月頃)
つかまり立ちをしてからはとても早く、
 ・自立したり、伝い歩きをしたり(1歳)
 ・スタスタと歩いていたずらをするようになっていきます(1歳6ヶ月)
多くの自治体では、1歳6ヶ月健診というものがあり、お子さんの発達や栄養面などの心配事を、相談することが出来る機会が設けられています。同じ年齢のこども達が、同じ場所に集まるので、ペンギン大行進のような光景が見られます。
我が子は「アンパンマンのぬいぐるみ」という、ファイナルファンタジーで言えばエクスカリバー並みの武器を携えていたので、羨望の眼差しを向けられていました。
②中心から末端へ
 胴体から肩、腕、手、指先の順に発達をしていきます。その為、胴体(体幹)が弱い子は指先の使い方にぎこちなさがみられることがあります。
③粗大運動から微細運動へ
 人は身体全体のバランスを必要とする運動が先にできるようになっていき、それから少しすると、手先を使う細かい運動が出来るようになっていきます。歩いたばかりの子にハサミの練習をさせても使えるようにならないのは、発達の流れに逆らっているからです。
以上3つの法則について触れましたが、これらは段階的に連続していくものではあるものの、個人差が見られるものであるため、「8ヶ月になったのに、まだハイハイしない」と焦る必要はなく、その子のペースでちゃんと成長をしているので、見守ってあげてください。しかし、すこしでも心配なのであれば一人で抱え込まず、かかりつけの小児科や、教育支援施設などで相談することもオススメです。
ここまで書いていて、集中がきれてしまったのと、
お喋りな我が子が、どのようにしてお喋りになっていったのかという過程を整理するため、
次回は言葉の発達について触れていこうと思います。
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発達障害と栄養療法について



SNS上で、
発達障害はサプリ等を摂取する栄養療法により、
改善されるという書き込みを目にしました。

Googleで「発達障害  栄養療法」と検索をすると、本やブログ、クリニックでのコラムがヒットします。

その中でも、特に目にする栄養療法が、
オーソモレキュラー栄養療法というものでした。
オーソモレキュラー栄養療法とは、
どうやら日本では栄養療法の代表的なもののようで、

適切な食事やサプリメント・点滴、糖質コントロールを行い、身体を構成する細胞のはたらきを向上させ、様々な病気を治す治療法のことを言うようです。

海外では1960年代頃より盛んに行われるようになったようです。


ここまでは、ブログやコラムを抜粋し、
まとめたものになります。

実際に、どのような研究がなされているのか
探してみました。




皆大好き
CiNii  https://cir.nii.ac.jp/
で「オーソモレキュラー栄養療法」と検索をかけると2件ヒットしましたが、
2つとも書籍の情報でした。
学術書というよりも一般向けの本でした。

次に、
Google Schoral 大先生で検索をかけると62件ヒットしました。
その中でも、2022年 認知症治療研究会会紙で発表された、
【分子栄養補充およびグルテン・カゼイン除去による 認知症・発達障害治療】
では、
「認知症改善のためには抗認知症薬を投与する前に分子 栄養学に基づく薬物補充療法・食事指導およびグルテン・カゼイン除去を行うことが必須である」
と結論づけられていました。

題目にある、発達障害の治療効果については、
直接的な記載は見られませんでした。
また、サンプルサイズや記述統計などの基本情報から比較検討を行った検定手法や効果量などの明記がありませんでした。
有意差が認められたようですが、
客観的な情報として解釈をしにくい論文ではあったため、
詳細が気になるところです。
現状としては、
このような研究をされている。
までで留めた方が良さそうです。

この研究論文以外では、
発達障害と栄養療法について触れているものは
見当たりませんでした。


1960年代より
海外で盛んに行われていたとの記事を頼りに
PubMedで検索を掛けてみました。
キーワードは
「orthomolecular medicine」と
「developmental disability(disorder)」
で行いました。
しかし、1件もヒットしなかった為、キーワードを変えて検索をしてみました。

「orthomolecular medicine」で検索をすると
3件の論文がヒットしましたが、
発達障害に触れられた論文はありませんでした。

また、Google Schoral大先生を頼りに
「orthomolecular medicine  developmental disability(disorder)」
と検索をするといくつかの論文がヒットしました。
しかし、
オーソモレキュラー栄養療法と発達障害の関連について
直接的な言及をしている論文が見当たりませんでした。
もしかしたら、
orthomolecular medicineというキーワードが
海外では用いられていない可能性が考えられました。


その為、
先に紹介をした論文の
引用文献を参考に検討しようと思いましたが、
引用文献の殆ど?全て?が書籍であったため、
研究論文に当たることが出来ませんでした。

最後に、
オーソモレキュラー栄養医学研究所
という一般社団法人のHPにあたりました。
改善した症例についての記載が沢山されており、
また、症例ごとにどの栄養素が改善に有効かなどの記載がありました。
しかしながら、こちらでも研究論文に当たることが出来ませんでした。

私の検索の掛け方が悪かったのか、
上手く論文を見つけることが出来ませんでした。
もし、発達障害と栄養療法に関する直接的な言及をされている論文をご存知の方がいらっしゃいましたらコメントで
題目と著者を合わせてお教え頂きたいです。


感想として、
私はコーヒーを飲めば眠くなりにくかったり、
栄養剤を飲めば元気になった感じがしたりします。
少なからず口から摂取する物質が、
身体に影響をしていると感じることはあります。
しかしながら、
私が調べた限りでは客観的に判断をする事が出来るデータを得ることが出来ませんでした。
その為、少なくとも医師ではない、
私のような心理職から栄養療法と発達障害について言及をすることは
望ましくないと考えました。

賛否両論あるかと思いますが、
是非有識者の方々から
良い情報を頂きたいです。





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Acetaminophen Reduces Social Pain: Behavioral and Neural Evidence

Acetaminophen Reduces Social Pain: Behavioral and Neural Evidence
著者 C. Nathan DeWall, Geoff MacDonald, Gregory D. Webster

アセトアミノフェンという
解熱・鎮痛薬が
身体的な痛みだけでなく
社会的苦痛(簡単に言うとストレス)にも
効果が見られたよ。
という論文でした。
2010年の論文で、少し古いのですが
解熱鎮痛薬を3週間も服薬させてしまう感じが好きなのと、
この論文が出る前ぐらいから、
仕事で疲れた時にバファリンを飲んで楽になった経験をしていたので
とても印象に残っている論文でした。

薬に頼るのも良いですが、
アイマスクなどでリラックスするのも
オススメです。




論文はこちら


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アタッチメント行動チェックリスト(親用)の信頼性・妥当性の検討

著者:宮戸美樹・福榮太郎,青木豊
心理臨床学研究2020年第38巻第1号の39ページに掲載された論文です。

この論文は、
一般養育環境にある子どものアタッチメント行動を評価する尺度の妥当性と信頼性を検討することを目的としています。

アタッチメント(愛着)を測定する手法として、
Strange Situation ProcedureやQ-sort法が国際的に確立されていますが、それを実施するためには資格や設備、長時間の行動観察が必要で臨床現場での活用が難しいという点を問題としてあげています。

青木豊先生も
アタッチメント行動チェックリスト(ABCL)を作成していますが、
作成の調査対象が施設で養育を受けている、アタッチメントに問題が生じている可能性が高い子どもに限定されていることや、保護者の代わりに施設職員が評定者となっているため、一般的なものではなく、施設版ABCLと言えるチェックリストであると指摘しています。

そのため、この研究では、
幼稚園・保育園に子どもが通っている保護者を対象に質問紙調査を行っています。

対象年齢は12ヶ月から71ヶ月の子どもを持つ保護者に行ったようです。


今回のABCLでは、
3因子構造が抽出されました。
第1因子『こころの理解』
乳幼児が養育者の意図や意志を理解しそれに協力できていること
第2因子『感情調節不全』
乳幼児の感情調節の機能が不全であることを示す
第3因子『安全基地』
乳幼児が養育者を安全基地として利用していることを意味する
得点が高いほどそれぞれのアタッチメント行動を示す傾向が高いことを意味するようです。

今回の研究では、
尺度作成までになりますが、
今後の発展が楽しみな研究であった為、
まとめてみました。

こころの理解なんかは、
認知的共感性のひとつとして考えられている
他者視点取得との関連はありそうですね。
また、愛他的行動や利他的行動との関連についても見てみたいものです。

感情調節不全は、
特性や養育態度など色々な要因が関係してそうなので、
より細かい研究をしていく必要はあるのかもしれません。

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幼児におけるサンタクロースのリアリティに対する認識

幼児におけるサンタクロースのリアリティに対する認識
著者:富田 昌平

2009年の論文です。

ファンタジーの世界に生きていると
表現される子ども達
特に2歳から8歳頃は遊戯期と呼ばれています。

人生の中で1番遊びに費やす時期の子ども達は、
ごっこ遊びを通してファンタジーに浸るとされています。

この論文では、
そんな子ども達は、サンタクロースをどう捉えているのかという事が述べられています。

幼稚園・保育園、街中やテレビ等に現れるサンタクロース(直接的経験)を本物とするのか。
寝ている間に枕元にそっとプレゼントをしてくれる人(間接的経験)を本物とするのか。

年齢によりその捉え方は異なるようです。
4歳児は大人が扮したサンタクロースを本物とする一方、
6歳児はそれを偽物と判断し、枕元に置いていく謎の存在がサンタクロースと判断するようです。

特に5歳児は、格好が類似しているものを本物として判断する傾向があるのに対し、
6歳児はサンタクロースという物語と登場文脈によって判断する傾向があるようです。

現実的な判断が出来るようになる一方で、
よりファンタジーなものをリアルとして捉える6歳児の世界観は面白いですね。

皆さんが関わっているお子さんは、
どのようにサンタクロースを捉えているのでしょうかね。

論文はこちら

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