SNS上で、
発達障害はサプリ等を摂取する栄養療法により、
改善されるという書き込みを目にしました。
Googleで「発達障害 栄養療法」と検索をすると、本やブログ、クリニックでのコラムがヒットします。
その中でも、特に目にする栄養療法が、
オーソモレキュラー栄養療法というものでした。
オーソモレキュラー栄養療法とは、
どうやら日本では栄養療法の代表的なもののようで、
適切な食事やサプリメント・点滴、糖質コントロールを行い、身体を構成する細胞のはたらきを向上させ、様々な病気を治す治療法のことを言うようです。
海外では1960年代頃より盛んに行われるようになったようです。
ここまでは、ブログやコラムを抜粋し、
まとめたものになります。
実際に、どのような研究がなされているのか
探してみました。
皆大好き
CiNii https://cir.nii.ac.jp/
で「オーソモレキュラー栄養療法」と検索をかけると2件ヒットしましたが、
2つとも書籍の情報でした。
学術書というよりも一般向けの本でした。
次に、
Google Schoral 大先生で検索をかけると62件ヒットしました。
その中でも、2022年 認知症治療研究会会紙で発表された、
【分子栄養補充およびグルテン・カゼイン除去による 認知症・発達障害治療】
では、
「認知症改善のためには抗認知症薬を投与する前に分子 栄養学に基づく薬物補充療法・食事指導およびグルテン・カゼイン除去を行うことが必須である」
と結論づけられていました。
題目にある、発達障害の治療効果については、
直接的な記載は見られませんでした。
また、サンプルサイズや記述統計などの基本情報から比較検討を行った検定手法や効果量などの明記がありませんでした。
有意差が認められたようですが、
客観的な情報として解釈をしにくい論文ではあったため、
詳細が気になるところです。
現状としては、
このような研究をされている。
までで留めた方が良さそうです。
この研究論文以外では、
発達障害と栄養療法について触れているものは
見当たりませんでした。
1960年代より
海外で盛んに行われていたとの記事を頼りに
PubMedで検索を掛けてみました。
キーワードは
「orthomolecular medicine」と
「developmental disability(disorder)」
で行いました。
しかし、1件もヒットしなかった為、キーワードを変えて検索をしてみました。
「orthomolecular medicine」で検索をすると
3件の論文がヒットしましたが、
発達障害に触れられた論文はありませんでした。
また、Google Schoral大先生を頼りに
「orthomolecular medicine developmental disability(disorder)」
と検索をするといくつかの論文がヒットしました。
しかし、
オーソモレキュラー栄養療法と発達障害の関連について
直接的な言及をしている論文が見当たりませんでした。
もしかしたら、
orthomolecular medicineというキーワードが
海外では用いられていない可能性が考えられました。
その為、
先に紹介をした論文の
引用文献を参考に検討しようと思いましたが、
引用文献の殆ど?全て?が書籍であったため、
研究論文に当たることが出来ませんでした。
最後に、
オーソモレキュラー栄養医学研究所
という一般社団法人のHPにあたりました。
改善した症例についての記載が沢山されており、
また、症例ごとにどの栄養素が改善に有効かなどの記載がありました。
しかしながら、こちらでも研究論文に当たることが出来ませんでした。
私の検索の掛け方が悪かったのか、
上手く論文を見つけることが出来ませんでした。
もし、発達障害と栄養療法に関する直接的な言及をされている論文をご存知の方がいらっしゃいましたらコメントで
題目と著者を合わせてお教え頂きたいです。
感想として、
私はコーヒーを飲めば眠くなりにくかったり、
栄養剤を飲めば元気になった感じがしたりします。
少なからず口から摂取する物質が、
身体に影響をしていると感じることはあります。
しかしながら、
私が調べた限りでは客観的に判断をする事が出来るデータを得ることが出来ませんでした。
その為、少なくとも医師ではない、
私のような心理職から栄養療法と発達障害について言及をすることは
望ましくないと考えました。
賛否両論あるかと思いますが、
是非有識者の方々から
良い情報を頂きたいです。