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心理アブスト

このブログでは、心理学系の論文を簡単にまとめて紹介してます。 寝る前、電車の中など時間のある時に、更新している趣味ブログです。

言葉の発達 言葉を育む上で大切なこと









乳幼児期のお子さんに関する相談で多いのが、「言葉の遅れ」に関する相談です。
ここでは、生まれてから1歳3ヶ月ごろの言葉についてまとめていきます。
生まれたての赤ちゃんは、「泣いて」都合が悪いことを周りの人に知らせてくれます。
そして、「誰かが反応してくれる」という経験から、自身が環境に影響を与えることが出来るということを知り、それが喜びや、有能感を得るきっかけとなっていると考えられています。
 生後6ヶ月頃になると、喜びや悲しみ、嫌悪、驚き、恐れなどの基本感情が芽生え、表情も豊かになっていきます。基本感情が育まれていくと、「泣き」の種類も変化し、怒りを伴った泣きや、悲しみの泣きなどが見られてくるようになります。
 くすぐり遊びや、いないないばあをするなど、親と赤ちゃん、大人と赤ちゃんの間で関係性が出来てくると「自分と人」という認識を持つようになります。また、おもちゃなど、物に興味を示すようになることで「自分ともの」という認識が育まれていきます。こうした、1対1の関係を「二項関係」といいます。
 9ヶ月頃になると二者の関係から世界が広がり、自分と人とそれ以外、自分とものと人、など三者の関係が育まれていきます。この三者の関係を「三項関係」といい、言葉の発達に置いてとても重要なものになってきます。
三項関係が育まれていくことで、指差し行動が見られるようになったり、大人が指さした方向を見たりするように、他者と関心を共有することが出来るようになっていきます。これを「共同注意」といい、会話の始まりであると考えられます。指差しを覚えると、「あっ」と声にして大人に知らせ、見ているものを共有しようとします。大体、1歳から1歳3ヶ月頃には多く見られるようになる行動になってきます。
この頃に多い相談としては、「おもちゃにしか関心がない」「テレビばかりずっと見ている」などというものです。以前にもお話をしたように、お子さんの発達には個人差はあります。とはいっても焦りや不安を抱くのは当たり前のことです。楽しく子育てをするために、子どもの相談が出来る場所で、今のお子さんにあった関わり方を相談されると良いでしょう。
言葉の発達を促す関わりとして一般的に言われているのが、「子どもが注意を向けているものにあわせて声をかける」ということです。自分が興味を向けているもの以外への関心が薄い場合、いくら「わんわん」を覚えてもらいたくても、見てくれなければ理解に繋がりませんし、「コミュニケーション」として認識されません。その為、子どもが犬を見ていたら「わんわんだね」と声をかけていくことが大切です。「自分と犬」という二者の関係に、声掛けをすることで第三者の存在を認識させていき、三項関係を育むことが出来ると良いでしょう。また、子どもが遊んでいるおもちゃを指さしながら「ぶーぶー」といったり、子どもの遊びを真似したりすることで、第三者の存在を意識させていくのも良いでしょう。
このようにして、子どもが「自分と人」「自分ともの」以外の第三者を意識できるようになると、「あっ」と指差し、大人が「わんわんだね」というこのやりとりを楽しむようになります。やりとりを楽しめるようになると、次に育まれてくるものが、大人の発している言葉です。「ママ、今なんて言ったのかな?」などのように、大人の話している言葉に注意が向くようになります。言葉に注意が向くことで、目の前にあるものと名前が一致するようになったり、赤ちゃんに「ばいばいー」と手を振ると「ばい」と言いながら真似をしたりするようになります。語彙を蓄えたり真似をしたりしながら言葉を学んでいき、その先に見られるのが「話す」という行為になります。
色々な刺激を受け取りながら、子どもたちは日々少しずつ、突然大きく成長をしていきます。その為、喋ってもらうために沢山の言葉を浴びせるのではなく、一緒に見ているものを共有しながら、言葉というコミュニケーションの道具を認識させていくことが大切です。
ここまで書いていて、心理学的視点が少ないなぁと感じたので、
次回は、前回まとめた子どもの運動面の発達と、今回まとめた言葉の発達をベースに、
愛着や発達に関する理論を絡めていこうと思います。

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