可逆操作の高次化における階層-段階理論2
前回の続きになります。
階層段階理論では、人間の発達において3つの発達段階があり、それをこえることで顕在化する大きな質的な変化を階層間の飛躍的移行と表現しており、その階層の中で獲得された力の働きが自由度を増し高次化していく変化を段階として捉えています。
この階層の違いを示す「鍵」になる概念が可逆操作であるとしています。
可逆操作について、田中先生は次のように定義されています。
「外界の世界をとりいれ、新しい活動を作り出し、そうすることで、自ら内面を豊かにする営みにおける基本操作」
この基本概念が少し難しいのです。
噛み砕いて表現をすると、
①主体が外界を操作することで、
②操作している主体が逆に操作されて
③変化をする状態
を可逆操作といいます。
つまり、
①赤ちゃんが外の世界に気がつき活動をすることで
②色々な出来事に気がついて
③関心の幅を広げていく
なんて言い換えても良いのかもしれません。
イメージとしては、
①赤ちゃんが音の鳴るおもちゃを見つけて手に取ると
②音が鳴ることに気がついて
③振る動作を繰り返していく
外界(おもちゃ)と内面との相互作用的な働きが新しい活動のきっかけとなるといった考え、この繰り返しがなされることで高次化していくと考えています。可逆操作について説明をしたところで、乳児期前半について一度整理をしたいと思います。
前回、すこしだけ紹介をしましたが、乳児期前半のことを『回転可逆操作の階層』とも呼びます。『回転可逆操作の階層』の『回転』については、またあとで詳しく説明をします。
回転可逆操作の階層には、3つの段階があります。以前説明をした『眠りと目覚め』を例にします。
①第1段階(回転軸1可逆操作)
昼と夜の区別が付いていない状態の時期
↓
②第2段階(回転軸2可逆操作)
夜に8時間程度まとまって眠ってくれる時期
↓
※生活リズムの確率(新しい力の誕生)
赤ちゃんが夜を手に入れる時期
↓
③第3段階(回転軸3可逆操作)
昼の活動時間が増えていく時期
↓
生理的自立(飛躍的移行)
このように3つの段階を経て、次の階層へと発展していきます。
さて、それではこの階層のメインテーマである『回転』について説明をします。文章が長くなるので、運動能力の発達は『中心から末端へ』という流れがあるということを念頭においた上で、読みすすめてください
これまで説明をしてきた乳児期前半の各段階、順序を見ていくと、第1段階の赤ちゃんは両脇を支えて持ち上げると頭はだらんとし、手も足も曲がっています。仰向けの段階で言えば『形態的非対称位』です。つまり、この段階では身体から頭、手、足を意図的に動かすことができない時期になります。赤ちゃんが仰向けやうつ向けの時に、正中線を中心にして回転させることができるのが身体を軸にしている時だけであることから、この時期を『回転軸1可逆操作』の段階と呼んでいます。
(これ、うちの子にそっくりなんです)
首がすわり始めるころには、原始反射も緩やかに弱くなっていきます。するとやってくるのは随意運動です。身体から分岐していた頭や手、足がある程度自由になりはじめます。その一つが、先ほどもあげた『首のすわり』です。手と手、足と足のふれあいがあるなどの『機能内連関性を持った形態的対称位』の段階になると、身体という1つの軸を基本としつつも、独立して動かすことが出来るようになった頭、手、足という軸を獲得したこの段階を、『回転軸2可逆操作』の段階と呼んでいます。
(本当にこんな感じでした)
2つの軸を獲得すると、次は手指の開きになります。例えば、赤ちゃんにおもちゃを差し出せば、おもちゃ正面として見て、腕を伸ばし、おもちゃに触れようと手指を広げて伸ばし、握ろうとします。縦と横、上下など『機能間連関性を持った形態的対称位』の段階を、『回転軸3可逆操作』の段階と呼んでいます。
(ちょっとベロが出てる所が可愛くないですか?)
操作という、外界への働きかけが必要になるため、可逆操作の段階を3つの回転軸で捉え、高次化していく様子をまとめたものが『回転可逆操作の階層』になります。
やっと基本的なところが説明できましたが、かなりの部分を省略しています。仰向けがあればうつ向けの段階もあり、座るという運動やモノを見るという感覚の段階など説明しきれていないものがたくさんあります。
要所要所で説明をしていくことがあるとは思いますが、すべてを説明し切ることはできないため、是非興味が湧いてきましたら、田中昌人先生の本を読んでみてください。
次は乳児期後半である『連結可逆操作の階層』について説明が出来ればいいな…と思っています。私が好きなところがまだまだまだまだ先にあるので、少し駆け足になります。お付き合い頂けますと幸いです。
階層段階理論では、人間の発達において3つの発達段階があり、それをこえることで顕在化する大きな質的な変化を階層間の飛躍的移行と表現しており、その階層の中で獲得された力の働きが自由度を増し高次化していく変化を段階として捉えています。
この階層の違いを示す「鍵」になる概念が可逆操作であるとしています。
可逆操作について、田中先生は次のように定義されています。
「外界の世界をとりいれ、新しい活動を作り出し、そうすることで、自ら内面を豊かにする営みにおける基本操作」
この基本概念が少し難しいのです。
噛み砕いて表現をすると、
①主体が外界を操作することで、
②操作している主体が逆に操作されて
③変化をする状態
を可逆操作といいます。
つまり、
①赤ちゃんが外の世界に気がつき活動をすることで
②色々な出来事に気がついて
③関心の幅を広げていく
なんて言い換えても良いのかもしれません。
イメージとしては、
①赤ちゃんが音の鳴るおもちゃを見つけて手に取ると
②音が鳴ることに気がついて
③振る動作を繰り返していく
外界(おもちゃ)と内面との相互作用的な働きが新しい活動のきっかけとなるといった考え、この繰り返しがなされることで高次化していくと考えています。可逆操作について説明をしたところで、乳児期前半について一度整理をしたいと思います。
前回、すこしだけ紹介をしましたが、乳児期前半のことを『回転可逆操作の階層』とも呼びます。『回転可逆操作の階層』の『回転』については、またあとで詳しく説明をします。
回転可逆操作の階層には、3つの段階があります。以前説明をした『眠りと目覚め』を例にします。
①第1段階(回転軸1可逆操作)
昼と夜の区別が付いていない状態の時期
↓
②第2段階(回転軸2可逆操作)
夜に8時間程度まとまって眠ってくれる時期
↓
※生活リズムの確率(新しい力の誕生)
赤ちゃんが夜を手に入れる時期
↓
③第3段階(回転軸3可逆操作)
昼の活動時間が増えていく時期
↓
生理的自立(飛躍的移行)
このように3つの段階を経て、次の階層へと発展していきます。
さて、それではこの階層のメインテーマである『回転』について説明をします。文章が長くなるので、運動能力の発達は『中心から末端へ』という流れがあるということを念頭においた上で、読みすすめてください
これまで説明をしてきた乳児期前半の各段階、順序を見ていくと、第1段階の赤ちゃんは両脇を支えて持ち上げると頭はだらんとし、手も足も曲がっています。仰向けの段階で言えば『形態的非対称位』です。つまり、この段階では身体から頭、手、足を意図的に動かすことができない時期になります。赤ちゃんが仰向けやうつ向けの時に、正中線を中心にして回転させることができるのが身体を軸にしている時だけであることから、この時期を『回転軸1可逆操作』の段階と呼んでいます。
(これ、うちの子にそっくりなんです)
首がすわり始めるころには、原始反射も緩やかに弱くなっていきます。するとやってくるのは随意運動です。身体から分岐していた頭や手、足がある程度自由になりはじめます。その一つが、先ほどもあげた『首のすわり』です。手と手、足と足のふれあいがあるなどの『機能内連関性を持った形態的対称位』の段階になると、身体という1つの軸を基本としつつも、独立して動かすことが出来るようになった頭、手、足という軸を獲得したこの段階を、『回転軸2可逆操作』の段階と呼んでいます。
(本当にこんな感じでした)
2つの軸を獲得すると、次は手指の開きになります。例えば、赤ちゃんにおもちゃを差し出せば、おもちゃ正面として見て、腕を伸ばし、おもちゃに触れようと手指を広げて伸ばし、握ろうとします。縦と横、上下など『機能間連関性を持った形態的対称位』の段階を、『回転軸3可逆操作』の段階と呼んでいます。
(ちょっとベロが出てる所が可愛くないですか?)
操作という、外界への働きかけが必要になるため、可逆操作の段階を3つの回転軸で捉え、高次化していく様子をまとめたものが『回転可逆操作の階層』になります。
やっと基本的なところが説明できましたが、かなりの部分を省略しています。仰向けがあればうつ向けの段階もあり、座るという運動やモノを見るという感覚の段階など説明しきれていないものがたくさんあります。
要所要所で説明をしていくことがあるとは思いますが、すべてを説明し切ることはできないため、是非興味が湧いてきましたら、田中昌人先生の本を読んでみてください。
次は乳児期後半である『連結可逆操作の階層』について説明が出来ればいいな…と思っています。私が好きなところがまだまだまだまだ先にあるので、少し駆け足になります。お付き合い頂けますと幸いです。
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