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心理アブスト

このブログでは、心理学系の論文を簡単にまとめて紹介してます。 寝る前、電車の中など時間のある時に、更新している趣味ブログです。

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何故私がこんな目にと考えた時の為の、究極的意味技法の活用 Approaching Worldview Structure with Ultimate Meanings Technique











Approaching Worldview Structure with Ultimate Meanings Technique
究極意味技法で世界観構造に迫る
著者:Dmitry A. Leontiev
https://doi.org/10.1177/0022167806293009


人は辛い経験をしたり、喪失体験をしたりなど、
ストレスを感じると、「なぜ」と問うことがあります。

では、何故このように、人は人生に意味を問うのでしょうか。
人生の意味を問うことは、人間にとって普遍的な課題の一つであるとされており、人間の本質的な問いの一つとも考えられています。


人は、自分自身が生きる意味を見つけることで、自分自身についての理解を深め、心の安定や生きがいを見出すことができます。


また、人生の意味を問うことは、人生の目的を見つけるための重要な手段となる場合があります。
さらに、人生の意味を問うことは、個人だけでなく、社会的、文化的な意味を持つことがあります。人生の意味は、文化や社会の慣習や価値観によっても異なるため、人生の意味を問うことは、個人だけでなく、社会や文化についても考えることができます。
この為、人生の意味を問うことは、人生において重要な変化や転換点に直面したときにも役立ちます。人生の意味を見つけることで、自分自身にとって大切なことや、自分の人生において重要なことを再評価することができます。


つまり、人生の意味を見つけることで、自分自身の人生に対する方向性を見いだすことができる場合があります。

人生の意味を問うから得られる臨床的意義として、自己理解やアイデンティティの形成につながると考えられています。










人生の意味を問うことで、自分自身の価値観や信念、人生における目的や意義についての洞察を得ることができます。これによって、自己理解やアイデンティティの確立に役立つとされています。


また、人生の意味を問うことは、ストレスやうつ病などの精神的な問題に対するセラピーとしても有効とされています。


例えば、人生の意味を見失ったり、人生において重要なものを見失ったりした場合には、心のバランスを崩すことがあります。


人生の意味を問うことで、自分自身の人生における価値や目的、人生において大切なものを再確認することができ、自己肯定感を高め、ストレスやうつ病の緩和につながるとされています。

Ultimate Meaning Technique(UMT)の心理臨床的効果については、いくつかの研究が行われています。
UMTを用いた認知行動療法と標準的な認知行動療法を比較したところ、UMTグループは自己評価や自己効力感、生活満足度の向上、うつ症状の軽減などの良好な結果が得られたと報告されています(Aslani et al., 2017)。

また、別の研究では、UMTを用いた意味志向療法が、がん患者のQOL(生活の質)の向上につながることが示されています(Van der Spek et al., 2017)。


これらの研究からは、UMTが心理臨床的な効果をもたらす可能性があることが示唆されています。

しかしながら、UMTの臨床的活用についての研究は少なく、より多くの研究が必要であり、現時点ではUMTの心理臨床的な効果についてはまだ確定的な結論を得るには至っていないとされています。


特に、重度の精神障害を抱えている人、自殺リスクがある人、あるいは極端に不安や恐怖を抱えている人は、UMTを行う前に他の治療を受ける必要がある場合があります。また、過去に心的外傷を経験した人には、UMTを行う前に専門的なカウンセリングが必要である場合があります。










まだまだ開発途上のような技法ではありますが、
UMTは、自己探究や人生の意味探しに役立つとされており、そのプロセスがストレスを軽減することがあるとされています。


UMTは、自分自身の人生についての考えを整理し、自分自身の価値観や目標を再確認し、人生の方向性を見出すことができるため、それによってストレスや不安を軽減することができるかもしれません。


人生の意味を見出すことで、人のQOLは高まることが知られていますが、
人生の意味を探求する過程は、人が出来るストレスを軽減させる為のひとつの方略なのです。


頭の中で色々な考えが巡ってしまうのであれば、
UMTにより、自身の価値観を顕在化していくことも考えられます。


ただし、1人で考え込まず、周囲の人や臨床心理士や精神科医などの専門家に相談することを忘れてはいけません。

論文はこちら

参考文献
Aslani, K., Hassanabadi, H., & Bahrami, F. (2017). The effect of ultimate meaning therapy on quality of life and spiritual well-being of patients with breast cancer: A randomized controlled clinical trial. European Journal of Integrative Medicine, 15, 16-22.
この研究では、乳がん患者にUMTを行うことが、QOLおよび精神的・宗教的な健康にどのような影響を与えるかを調べたランダム化比較試験が行われました。結果として、UMTを受けたグループは、対照群と比較してQOLと精神的・宗教的な健康が向上したと報告されています。
Van der Spek, N., Vos, J., van Uden-Kraan, C. F., Breitbart, W., Cuijpers, P., Knipscheer-Kuipers, K., & Verdonck-de Leeuw, I. M. (2017). Meaning-centered psychotherapy in cancer patients: a systematic review and meta-analysis. Psycho-Oncology, 26(3), 377-387.
この研究では、がん患者にUMTを行うことが、意味志向療法においてどのような効果をもたらすかを検討したシステマティックレビューとメタ分析が行われました。結果として、UMTを受けたグループは、うつ病、不安、ストレスなどの症状が有意に軽減したと報告されています。また、UMTを受けた患者は、治療前と比較して、人生の意味や目的についてより深く考えるようになったという報告もありました。









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Acetaminophen Reduces Social Pain: Behavioral and Neural Evidence

Acetaminophen Reduces Social Pain: Behavioral and Neural Evidence
著者 C. Nathan DeWall, Geoff MacDonald, Gregory D. Webster

アセトアミノフェンという
解熱・鎮痛薬が
身体的な痛みだけでなく
社会的苦痛(簡単に言うとストレス)にも
効果が見られたよ。
という論文でした。
2010年の論文で、少し古いのですが
解熱鎮痛薬を3週間も服薬させてしまう感じが好きなのと、
この論文が出る前ぐらいから、
仕事で疲れた時にバファリンを飲んで楽になった経験をしていたので
とても印象に残っている論文でした。

薬に頼るのも良いですが、
アイマスクなどでリラックスするのも
オススメです。




論文はこちら



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過敏性腸症候群に対する認知行動療法の実際

過敏性腸症候群に対する認知行動療法の実際
著者:船場 美佐子, 河西 ひとみ, 藤井 靖, 富田 吉敏, 関口 敦, 安藤 哲也

特集としてまとめられていました。
過敏性腸症候群は、ストレスとも関係していると言われています。
お腹が痛くなったらどうしよう等の悪循環から抜け出せないのも特徴的なところだと思います。

治療法は様々なようですが、
SSRIやベンゾジアゼピン系の抗うつ薬などによる
治療もあるようです。

今回の特集では、
過敏性腸症候群に対して認知行動療法が有効かどうか
というものでした。

元の研究報告を拝読していないため
この特集を読んだだけで述べるのは
良くないのかもしれませんが、
感想として効果量に良い数値が出ているため、
結果としては保たれている印象です。

10人に1人が抱えるという過敏性腸症候群
少しでも楽になる人が増えるといいですね。

詳細はこちら

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大学生を対象とした精神的健康度調査の共通尺度化による比較検討

大学生を対象とした精神的健康度調査の共通尺度化による比較検討
著者:酒井 渉 , 野口裕之

UPIやGHQ、K10といった
精神的健康度のスクリーニング検査を
大学生に用いた場合どのくらい共通して測定できるのかなっていうのを調べた論文です。
(スクリーニング検査とは、何らかの疑いがある人をある基準で判断し、早期の対処に役立てるための検査です。)

結果として、
それぞれ同じような基準で、
精神的健康度を見極めることができる為、
用途に合わせてそれぞれの検査を使い分けることが出来るということが言えるようです。
論文はここをクリック

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ソーシャル・サポートと母親の愛着スタイルが育児ストレスに与える影響

ソーシャル・サポートと母親の愛着スタイルが育児ストレスに与える影響
著者は塚本 伸一
2021年の論文です。

虐待の要因となる
育児ストレスは、
ソーシャルサポートが充実していれば
低いんじゃないかな?と考えた論文。
また、お母さん自身の愛着スタイルが、
育児ストレスに影響してることもあるよねって考えた論文。

結果として、
ソーシャルサポートが育児ストレスの低減に繋がるかどうかは、
お母さんの愛着スタイルによって違うよっていうのがわかった論文のようです。

研究の方法や使用している尺度など、
適切であったかを注意して考える必要はありますが、
シンプルでわかりやすい論文でした。
AとBがCに及ぼす影響
という卒論を書く際は、
書き方や分析方法を参考にすると良いと思います。

論文はここをクリック



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心理的ストレス反応尺度 (SRS-18)

新しい心理的ストレス反応尺度 (SRS-18) の開発と信頼性・妥当性の検討
という論文の紹介をします。

著者は、
鈴木 伸一, 嶋田 洋徳, 三浦 正江,
片柳 弘司, 右馬埜 力也, 坂野 雄二
です。

この論文では、
人々が口にする
いわゆるストレスを
【抑うつ・不安】
【不機嫌・怒り】
【無気力】
という3つの側面から測定が出来る尺度の開発をされています。

質問内容がシンプルで、項目数も少ない為、
研究に用いやすいものとなっています。

この論文から、
卒論で取り扱いたいストレスはどういうものなのか、
整理するといいかもしれませんね。

論文はここをクリック

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