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心理アブスト

このブログでは、心理学系の論文を簡単にまとめて紹介してます。 寝る前、電車の中など時間のある時に、更新している趣味ブログです。

『神谷美恵子の「生きがい」と人生の意味 ―ポジティブ心理学の観点から―』

「生きがい(ikigai)」という言葉は、いまや世界でも広く知られるようになりました。海外の本屋でも「IKIGAI」というタイトルの本をよく見かけます。しかし、その原点である神谷美恵子の『生きがいについて』(1966)を読み解くと、意外な事実が見えてきます。
彼女の考えた「生きがい」は、実は“日本特有”の考え方ではなかったのです。


■ 神谷美恵子の「生きがい」とは


神谷はハンセン病療養所で患者たちと向き合い、「生きがい」とは極限状況でも人が生きる意味を見出す力だと考えました。それは「人生の意味(meaning in life)」そのものです。
彼女はフランス語の raison d’être(存在理由) を意識しており、「生きがい」はそれを日本語に置き換えた表現に近いものでした。
生きがいとは「喜び」「成長」「未来への希望」「他者とのつながり」「自己実現」「自由」「意味」など、7つの心理的欲求から成り立つと神谷は述べています。


■ 日本的な“特別さ”は、実は後からつけられた


神谷自身は「生きがい」を日本文化の特殊な感性から生まれたとは考えていませんでした。彼女が引用した研究の多くは欧米の心理学や哲学に基づいており、特にヴィクトール・フランクルの「人生の意味」と深く共通しています。
しかし、後年になると「生きがい=日本独自の概念」として紹介されることが増え、国際的にも“日本の秘密”として取り上げられるようになりました。
その結果、神谷の本来の意図──「誰にとっても普遍的な生きる意味」──が見落とされがちになっているのです。


■ 生きがい研究のいま


現在では「生きがい」は幸福感や健康長寿とも関係する重要な心理要因として、多くの研究で取り上げられています。
たとえば東北大学の研究では、「生きがいがある」と答えた人は、ない人に比べて死亡リスクが約1.5倍低いという結果が報告されています。
つまり、「生きがいを持つこと」は、こころの健康だけでなく、身体の健康にもつながるのです。


■ 困難な中で「意味」を見出す力


神谷が示したもう一つの重要な視点は、「困難の中でこそ新しい生きがいが生まれる」ということ。
失敗、喪失、病気──それらを通じて、人は再び自分の人生に意味を見出せる。
この考え方は、現代のポジティブ心理学で言う「レジリエンス(回復力)」や「トラウマ後の成長」にも通じます。


■ いま私たちが受け継ぐべきこと


「生きがい」は、誰にでも見つけられる“特別な日常”の力です。
神谷がそうであったように、他者を思い、何かのために行動し、自分の存在に意味を見出す──その姿勢こそが、彼女が伝えたかった“生きる力”なのかもしれません。
そして、それは文化を超えて、すべての人が共通して持つ希望なのです。


参考文献:
島井哲志・浦田悠(2025)『神谷美恵子の「生きがい」と人生の意味 ―ポジティブ心理学の観点から―』宗教/スピリチュアリティ心理学研究, 3(1), 1–15.

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乳幼児・児童期の発達研究の動向と展望

わが国の教育心理学の研究動向と展望
乳幼児・児童期の発達研究の動向と展望
―縦断研究の発展に着目して―
著者:藤澤 啓子
The Annual Report of Educational Psychology in Japan
2025, Vol. 64, 1-16
2023年7月から2024年6月までの1年間に、日本教育心理学会第66回総会のポスター発表と国内学術雑誌4誌に掲載された乳幼児・児童期の発達研究の動向を、非認知(社会情緒的)能力の視点から概観し、今後の課題と展望を提示したものです 。
量的分析による研究動向
総会発表(29件)と雑誌掲載論文(18件)の量的分析の結果、研究領域は総会・論文ともに「養育者・保育者」領域と「社会性」領域が多く、両者合わせて全体の約66.7%を占め、非認知能力やそれを支える環境への関心の高まりを示しています 。研究方法としては、総会・論文ともに「質問紙(調査)」が最も多く(57.1%〜65.0%)、一方で「観察」や「実験」は少ない傾向が確認されました 。また、児童期前期(小学校1・2年生)の子どもを対象とした研究が少ないことが、今後の課題として指摘されています 。
非認知能力の視点からの検討
雑誌論文の具体的な内容を、「自己に関わる心の力」「社会性に関わる心の力」「自己と社会性の発達を支える環境」という3つの観点から検討しました 。
自己に関わる心の力: 児童期後期の学習意欲・動機づけに関する研究が紹介され、内発的将来目標(自己成長や他者との関係構築)が積極的な学習行動に正に関連し、マスタリー目標(学習による習得)を持つ児童が挑戦的な課題を好む傾向が示されました 。これは、「スキルがスキルを生む」という非認知能力間の関連性を示す知見です 。
社会性に関わる心の力: 幼児の互恵性に基づく「助けない」行動の認知や、児童期における「見守る」「待つ」といった非表出的向社会的行動の認識発達に関する研究が紹介され、日本の文化的背景も踏まえた考察が行われました 。
環境: 養育者の援助行動や、保育者の自己決定を尊重する関わりが、子どもの非認知能力の発達に影響を与えることが示唆されました 。
今後の展望
今後の研究においては、個々の非認知能力の発達プロセスや、非認知能力同士の関連性を、より細やかに、そして縦断的な視点から明らかにすることの重要性が強調されています 。

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場面緘黙児の下位類型化の試み: SCQ,CCC-2,SCAS を用いて

著者:臼井なずな・大井学
コミュニケーション障害学2023年第40巻3号の148ページに掲載された論文です。

この論文は、場面緘黙児22名を対象に、自閉症特性(SCQ)コミュニケーション力(CCC-2)不安症状(SCAS)の得点を用いてクラスター分析を行い、背景要因の異なる3つの下位グループを分類しています。

結果として、
①相対的に高いコミュニケーション力を示す群
 →不安以外の併存症が少ない
②相対的に高い自閉症特性を示す群
 →ASDの併存が疑われる
③高い不安症状を示す群が抽出されました。
 →複数の不安症状を併発している
といったように分けられました。

①は、純粋な場面緘黙児であると考えられ、特定の場面による不安の発生が緘黙に繋がると考えられています。
②は、ASD傾向に由来するコミュニケーション困難さと社交場面での不安から緘黙に繋がると考えられています。
③は、ASD傾向はなく、コミュニケーション能力の低さから社交場面への不安が発生し緘黙に繋がると考えられています。

学校場面では喋らないから緘黙とされることが多く、背景要因が見過ごされるパターンがあります。
私としてはこの3群だけでなく、家庭環境や機能的問題による要因もあると考えるため、その子の要因を探っていく作業が大切だと考えます。

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可逆操作の高次化における階層-段階理論2

前回の続きになります。


階層段階理論では、人間の発達において3つの発達段階があり、それをこえることで顕在化する大きな質的な変化を階層間の飛躍的移行と表現しており、その階層の中で獲得された力の働きが自由度を増し高次化していく変化を段階として捉えています。


この階層の違いを示す「鍵」になる概念が可逆操作であるとしています。
可逆操作について、田中先生は次のように定義されています。

外界の世界をとりいれ、新しい活動を作り出し、そうすることで、自ら内面を豊かにする営みにおける基本操作


この基本概念が少し難しいのです。
噛み砕いて表現をすると、
①主体が外界を操作することで、
②操作している主体が逆に操作されて
③変化をする状態
を可逆操作といいます。


つまり、
①赤ちゃんが外の世界に気がつき活動をすることで
②色々な出来事に気がついて
③関心の幅を広げていく
なんて言い換えても良いのかもしれません。

イメージとしては、
①赤ちゃんが音の鳴るおもちゃを見つけて手に取ると
②音が鳴ることに気がついて
③振る動作を繰り返していく

外界(おもちゃ)と内面との相互作用的な働きが新しい活動のきっかけとなるといった考え、この繰り返しがなされることで高次化していくと考えています。可逆操作について説明をしたところで、乳児期前半について一度整理をしたいと思います。


前回、すこしだけ紹介をしましたが、乳児期前半のことを『回転可逆操作の階層』とも呼びます。『回転可逆操作の階層』の『回転』については、またあとで詳しく説明をします。
回転可逆操作の階層には、3つの段階があります。以前説明をした『眠りと目覚め』を例にします。


第1段階(回転軸1可逆操作)
 昼と夜の区別が付いていない状態の時期

第2段階(回転軸2可逆操作)
 夜に8時間程度まとまって眠ってくれる時期

生活リズムの確率(新しい力の誕生)
 赤ちゃんが夜を手に入れる時期

第3段階(回転軸3可逆操作)
 昼の活動時間が増えていく時期

生理的自立(飛躍的移行)

このように3つの段階を経て、次の階層へと発展していきます。

さて、それではこの階層のメインテーマである『回転』について説明をします。文章が長くなるので、運動能力の発達は『中心から末端へ』という流れがあるということを念頭においた上で、読みすすめてください

これまで説明をしてきた乳児期前半の各段階、順序を見ていくと、第1段階の赤ちゃんは両脇を支えて持ち上げると頭はだらんとし、手も足も曲がっています。仰向けの段階で言えば『形態的非対称位』です。つまり、この段階では身体から頭、手、足を意図的に動かすことができない時期になります。赤ちゃんが仰向けやうつ向けの時に、正中線を中心にして回転させることができるのが身体を軸にしている時だけであることから、この時期を『回転軸1可逆操作』の段階と呼んでいます。

(これ、うちの子にそっくりなんです)


首がすわり始めるころには、原始反射も緩やかに弱くなっていきます。するとやってくるのは随意運動です。身体から分岐していた頭や手、足がある程度自由になりはじめます。その一つが、先ほどもあげた『首のすわり』です。手と手、足と足のふれあいがあるなどの『機能内連関性を持った形態的対称位』の段階になると、身体という1つの軸を基本としつつも、独立して動かすことが出来るようになった頭、手、足という軸を獲得したこの段階を、『回転軸2可逆操作』の段階と呼んでいます。

(本当にこんな感じでした)


2つの軸を獲得すると、次は手指の開きになります。例えば、赤ちゃんにおもちゃを差し出せば、おもちゃ正面として見て、腕を伸ばし、おもちゃに触れようと手指を広げて伸ばし、握ろうとします。縦と横、上下など『機能間連関性を持った形態的対称位』の段階を、『回転軸3可逆操作』の段階と呼んでいます。

(ちょっとベロが出てる所が可愛くないですか?)


操作という、外界への働きかけが必要になるため、可逆操作の段階を3つの回転軸で捉え、高次化していく様子をまとめたものが『回転可逆操作の階層』になります。


やっと基本的なところが説明できましたが、かなりの部分を省略しています。仰向けがあればうつ向けの段階もあり、座るという運動やモノを見るという感覚の段階など説明しきれていないものがたくさんあります。


要所要所で説明をしていくことがあるとは思いますが、すべてを説明し切ることはできないため、是非興味が湧いてきましたら、田中昌人先生の本を読んでみてください。


次は乳児期後半である『連結可逆操作の階層』について説明が出来ればいいな…と思っています。私が好きなところがまだまだまだまだ先にあるので、少し駆け足になります。お付き合い頂けますと幸いです。

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可逆操作の高次化における階層-段階理論1

田中昌人先生の「可逆操作の高次化における階層-段階理論」について、私なりの解釈を添えて、解説をしていこうと思います。


間違えもあるかもしれませんので、参考程度にご覧下さい。
まず、田中先生は、乳児期を前半と後半に分けています。
乳児期前半とは、生まれてから6,7ヶ月ごろとしていますが、月齢はあくまで目安であって、大切なのはこの乳児期前半の赤ちゃんが、どのようにして発達していくかが大切になります。
乳児期前半は、生まれてから正面を捉えられるようになり、向きを変えたり持ち替えたり、見返りが出来るまでの時期を指します。


うまれたばかりの赤ちゃんは、仰向けの状態で外の世界を見て、聞いて、感じ取っているわけです。


自分から移動することのできない赤ちゃんには、大人が抱っこをしたり、支え座りをさせたりして赤ちゃんに働きかけます。
その為、赤ちゃんは『育児』という助けを借りなければ生きていけない生き物なのです。

田中先生は、赤ちゃんは生まれることで3つの自由を手に入れられると考えました。
1つめは、『代謝の自由』の獲得です。
これまでへその緒で育まれてきた命ですが、肺で呼吸することができるようになり、口で栄養を得ることができるようになり、排泄もできるようになるということを『代謝の自由』としています。
2つめは、『感覚の自由』です。
見る、聞く、肌で感じるだけでなく、味覚や嗅覚を感じられるようになるなど、胎児期と比べると感受性が増大します。
3つめは、『活動の自由』です。
眠りと目覚めの生活リズムの獲得や、原始反射が消失していく中で、欲求に基づく随意運動(意図した活動)が行えるようになります。
これらの発達的自由が連関しあって増大していく過程を見ると、各機能の高次化に3つの順序があり、それが緩やかに連関しあい、3つの発達段階を形作っていくと考えました。
乳児期前半は、乳児期後半に移行する前段階とする飛躍的移行期までを『乳児期前半』としており、田中先生はこれを『乳児期前半の発達の階層』あるいは『生後第一の階層』としています。
これから時間をかけて説明をする『可逆操作の高次化における階層段階理論』では、この階層を『回転可逆操作の階層』としています。
いろんな漢字が出てきてイメージができないかもしれませんが、ここまでで把握して欲しい点は、


①生まれたら3つの自由が獲得できること
②色々な側面の成長が影響し合って、発達をしていくということ
③高次化とは、ある成長的出来事が見られるまでの過程であるということ
この3つになります。
これを踏まえたうえで、具体的にどのように赤ちゃんの発達を捉えているのか説明します。
一番イメージがしやすいのは、眠りと目覚めです。


生まれてすぐの赤ちゃんは昼夜のリズムがなく、1時間寝たら1時間くらい目覚めてまた眠るといった繰り返しが見られます。お父さんお母さんが育児の中で一番大変な時期かもしれませんね。


昼夜問わず、赤ちゃんの様子を見ていないといけないので、まとまって眠るのが難しいのです(難しかったです)。
しかし、3ヶ月頃になると、夜に8時間くらいしっかりと眠ってくれるようになります。


寝顔が可愛く見えるのは、まとまって寝てくれるという安堵も含まれているのかもしれません。夜寝てくれるようになると、日中の活動量も増えてきます。

この段階になると赤ちゃん様は夜を手に入れたといっても過言ではありません。夜を手に入れた赤ちゃん様は、次の段階に移行します。
5ヶ月頃になると、朝起きて活動(ごはんなど)して、午前中に眠ります。また起きて活動をして(やっぱりごはん)、お昼寝をします。また起きて活動をしながら段々とまどろみ、夜まとまって眠ってくれるようになるのです。

こうして昼夜のリズムを手に入れていくのです。
まとめると、


①昼夜を問わない無敵フェーズ
②夜を手に入れた赤ちゃん様フェーズ
③夜を確かなものにし、日中を活動する赤ちゃん様フェーズ
の3つの段階を経て、眠りと目覚めが成熟され始めます。
目覚め、が成熟されると活動の増加につながります。この3つの段階を念頭に置いたまま、次は運動面について話を進めます。
赤ちゃんはうまれてからしばらく、仰向けの状態で世界を見ています。この時、赤ちゃんの姿勢は非対称性が強く、


・どちらかの手があがっている
・顔が左右どちらかに向いている


といった状態が見られます。この時期の状態を『形態的非対称位』といいます。
我が子の似顔絵を知り合いに描いてもらいました。
めちゃくちゃ可愛い。


3ヶ月頃になると、首がすわり始め、顔が正面を向けるようになってきます。その上、左右を見ることが増え、手と手、足と足が対称になってきます。

(これも最高に可愛い)

いままでは原始反射で動いていた、不随意的な運動が多かった赤ちゃん様が、あれを持ちたい、これを触りたいなどの欲求に合わせて動くことが増えてきます。


こうした随意運動が増える反面、原始反射は緩やかに消失していきます。この時期の状態を『機能内連関性をもった形態的対称位』といいます。
随意運動が増えてくると、手と手、足と足という繋がり(横、あるいは左右)から、手と足といった繋がり(縦、あるいは上下)を獲得してきます。

(本当にそっくり。超可愛い)

この時期を『機能間連関性をもった機能的対称位』といい、活動の幅が大きく増えてきます。
今回は仰向けを例に挙げましたが、うつ伏せ、支え座りの状態も、


①形態的非対称位
②機能内連関性をもった形態的対称位
③機能間連関性をもった機能的対称位


といったような3つの順序性を持って発達していきます。

このような、ある状態から順番に何らかの変化を持って、例えば「座る」という活動を獲得していく過程を、『高次化』と考えることが出来るのではないでしょうか。
赤ちゃんは、一度獲得されると特別なこと(病気など)がない限り、発達の質的変化が下がるということはありません。「首がすわったけど、やっぱりやめてすわらんとこ」にはならないのです。
タイトルにある『可逆操作における高次化の階層段階理論』という可逆操作という概念が、階層の違いを示すための鍵となると、田中先生は言っていました。
ここまででおよそ2500文字。
そろそろ飽き始めてしまう文字数なので、今回はここまでです。


だいぶ咀嚼をしたので、ニュアンスが少し違うかもしれませんが致命的ではないと思います。
致命的な間違いがありましたら、やさしくご指摘ください。

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子どもは小さな研究者?

最近、末っ子が「ある」「いる」と発語するようになりました。それまでは「ない」「いや」と主張することが多かったため、「存在」を認識できるようになったのは大きな成長だと感じています。
乳児の発達過程では、目の前から物が見えなくなると、「それは存在しない」と認識されます。しかし、やがて「見えない場所にあっても、存在し続けている」と理解できるようになります。これをピアジェのいう「対象の永続性」の獲得と呼びますね。
この「ある」「ない」という根源的な認識から、私はふと統計学を思い出しました。統計的仮説検定では、「ない(差がない、効果がない)」ことを帰無仮説とし、「ある(差がある、効果がある)」ことを対立仮説とすることが一般的です。
この「無に帰したい仮説」、つまり「見えないものは存在しない」という認識を、乳児は初期段階で持っているのではないでしょうか。
外界を探索し、「ない」わけではない(帰無仮説の棄却)と気づき、「何が『ある』のか」(対立仮説の証明)を探求するために知識を蓄積していく段階こそが、感覚運動期から前操作期にかけての知能発達のプロセスではないかと妄想したのです。
あくまで妄想ですが、ピアジェの提唱する「シェマ(認知の枠組み)の運用・分化・内在化」といった一連の学習過程も、この「存在の探求と証明」をひたすら繰り返した結果なのかもしれません。
単に「ある」というだけで喜び、好奇心を満たす子どもたちの世界は、突き詰めれば大人の私が知的探求心を満たすプロセスと何ら変わらないのだな、と感じ入りました。



2023年7月12日の朝7時に浮かんだ妄想の日記。


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子どもの絵から見る、心と身体の発達

子どもの発達は、

・首のすわりから歩行などの運動の発達
・喃語から三語文などの言葉の発達
・自己中心性から自己同一性といった心の発達

など、
色々な側面から成長の様子が伺えます。
そのうちのひとつとして、「絵」から見られる発達の過程についてご紹介します。
お子さんによって描き方や表現は
さまざまではありますが、
表現の発達は世界中の子どもたちで
共通していると言われています。

個人差が大きい絵の発達過程ですが、
一般的には4つの段階を経ていきます。
1.なぐり描き期(1歳~2歳頃)
なぐり描き期では、なにかを表現したいという意図を持って書いているわけではなく、クレヨンを握り、紙の上で動かすことで現れる跡に気がつき、その痕跡を楽しんでいます。



なぐり書きをする中で、『〇らしいやつ』『目、らしいもの』という表現の可能性に気がついてきます。


2.象徴期(2歳~3歳頃)
すると、〇に点が2つといった、円のようなものを「ママ」「パパ」「〇〇くん」と意味を持たせ始めます。また、複雑ななぐり描きができるようになり、色々な形が組み合わさることで、その絵に「えび」や「きのこ」などと、後から意味付けをするようになります。

そのようにして書いた絵を「きのこだよ!」と親にみせて反応を伺っているところも、可愛らしいところで、「本当だ。きのこだね」なんて言えば喜びますし、「これはなんだろう」といった顔やコメントをすれば、「ここが〇〇でね、ここが〇〇なの」などと形の特徴を表現するようになり、絵がよりそのものらしくなるように特徴を観察し強調するようになります。
(これはエビフライだそうです)



3.前図式期(3歳~4歳半頃)
この時期になると、より人の絵が人らしくなってきます。有名な絵として頭から直接手足が描かれる「頭足人」と呼ばれる図形があります。


(パパ。下にある3本の線はヒゲです)




また、ひとつの紙の中に、人や家、木、車など色々なアイテムが描かれるようになるのもこの時期です。その絵の中では、大小関係はなく、思うように表現されています。また、そこに描かれた絵には繋がりや因果関係、ストーリーはなく、描きたいものを描いているのです。その為、商品カタログのような紙面になることから、「カタログ期」と呼ばれることもあります。

4.図式期(4歳半~8歳頃)
この時期になると、1枚の紙に風景やカテゴリーが詰められたものなど、繋がりや因果関係、ストーリー性が表現されるようになります。また、5歳頃になると『地面』を描き始めるようになり、
外界をより詳しく理解できるようになってきます。
ただの動作による現象への遊びから、表現へと変化していく過程が絵から見えてくるのがとても面白いですね。

絵として表現をしていく為に、微細運動の発達が大切になります。絵を描くことだけでなく、道具を上手く操作し、思うように動かすことが出来るという経験が得られるかどうかで、その子の興味関心の幅に大きな影響を与えます。

興味関心の幅が、外界への意識、他者意識へと繋がるため、色々な遊びを通して心と身体を育むことが大切です。

スクールカウンセラーや教育相談所などで働く心理士さんは、グッドイナフ人物画知能検査のような人を描いてもらう絵や、風景構成法、バウムテストなどの描画検査でないと、絵らしい絵に出会うに機会は限定的で、掲示されている絵などを見る程度かもしれません。
新版K式発達検査2020や田中ビネーVなどでは、絵を描くことはなく、形の模写をする様子を見て、手と目の協調運動や微細運動、視空間認知などの力をアセスメントするようになります。

しかし、形の模写の中でも子どもの心の発達について考えることができます。田中昌人先生が提唱された「可逆操作の高次化における『階層―段階』理論」を学んでいく中で、丸を閉じる、十字(ばってん)をかくことの、心的過程を覗く手がかりになります。
ちょっと難しいお話になるので、気力があればいつかまとめようと思います。ご興味のある方は是非ご自身で学んでみて、私と一緒に子どもの発達を楽しみませんか?



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原因不明の赤ちゃんの夜泣きへの理解と対処方法

夜泣きは、ミルクなどをあげて一旦落ち着いてくれれば大助かりです。しかし、原因が分からず、あやしているうちに親が寝落ちしてしまう、という経験は私自身にもありました。多くの方がこうした体験をされているのではないでしょうか。
インターネットで調べると、「愛情不足」や「放置して良い」といった、対応に迷う情報が溢れており、実際にどうすれば良いのかが分かりにくい状況です。
ここでは、夜泣きの要因として考えられる一つ「乳児疝痛(にゅうじせんつう)」についてのお話をしたいと思います。
乳児疝痛(にゅうじせんつう)とは
乳児疝痛とは、端的に言えば赤ちゃんの腹痛です。原因不明の夜泣きの裏には、お腹の不調が隠れている可能性があります。
特に、粉ミルクを主体とする赤ちゃんは、一時的に腸内環境が整いにくい状態になることがあるようです。
腸内環境を整えるというアプローチ
この問題に対し、「粉ミルクが悪いから完全母乳にする」のではなく、腸内の足りないものを補ってあげることで夜泣きの頻度を減らしていくという対策が注目されています。
実際、「Lactobacillus rhamnosus GG (ATCC 53103) for the Management of Infantile Colic: A Randomized Controlled Trial」という2020年の論文では、特定の善玉菌で腸内環境を整えた結果、赤ちゃんの睡眠の質が向上し、夜泣きの回数が減少したと報告されています。
こうした研究に基づき、国内でも一部のメーカー(例:ビーンスターク)から、ビフィズス菌などを補うことができるサプリメントが販売されています。
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日本では、
法律の関係上、
粉ミルクの中に乳酸菌を最初から入れることが出来ないため、
このようにサプリメントで補う必要があります。

我が家はこのサプリメントで、
夜泣きが大幅に減りました。

もしお困りの方がいらっしゃいましたら、
試してみてください。
赤ちゃんの腹痛が良くなって、
親御さんもゆっくりと眠ることができる時間を
増やすことが出来ると良いですね。


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性衝動に悩まれている方へ ジャニーズ 性被害を通じて

最近、世間を騒がせている話題について、
ジャニーズの櫻井翔さんが
テレビでコメントされているのを見ました。
この記事では、
橋田康さんを中心に話題となっている
ニュースについてでは無く、
その背景要因として考えられる特徴が、
広く知られることや、
その背景要因に悩まれている方々への気づきに繋がればと思っております。


性的に未成熟な子供に興奮する、
無理矢理性行為に及ぶと興奮する、
人に見せない部分を無防備にさらす姿に興奮する、
使用済みの下着に興奮するなど、
性の嗜好性に偏りがあり、
何らかの問題が生じている状態のことを、
アメリカ精神医学会の作成した、
心の病気に関する診断基準(DSM-5)では、
性嗜好障害(パラフィリア障害)と呼ばれています。

ここでいう、
何らかの問題とは、
・性的興奮を得るために子供と性的行為に及ぶ
・強姦する
・風呂場を覗く
・下着を盗む
などの、反社会的行為に及べば他者への危害を加えたことになるため障害とみなすとされています。
また実際に行為に及んでいなくても、
上記の欲求や衝動を抱えている状態に本人が精神的な苦痛を感じる場合にも障害とみなすとされています。
しかし、苦痛を感じておらず、
問題も起こしていない場合は、治療の対象とはならないとされています。
例えば、痴漢や盗撮の企画モノのAVをみる、成人向けの漫画を読む、同意を得てパートナーの下着をもらうといった行為で性的興奮を得ている人などが考えられます。
つまり、倫理的・社会的に逸脱をせず満たすことが出来ていれば、障害に当たらないとされています。合意を得た適切な関係性の中で、お互いが楽しめる形で性生活を営むことが出来ると良いですね。
触る、見る、撮る、嗅ぐなど、
合意が無い相手に対して、
反復的に性的欲求を満たしてしまう場合は、
相手のためにも、そして御自身のためにも、
専門の医療機関でご相談されることをオススメします。
また、願望を持っているだけでは障害にあたりませんが、その願望の強さによって悩まれている方も、1人で抱え込まず専門の医療機関にご相談ください。

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【ChatGPT】令和5年度公認心理師試験予想問題

ChatGPTとはアメリカはサンフランシスコ州発、人工知能の研究を行うOpenAI(オープンエーアイ)社が開発した対話型のAIツールです。

このAIツールに、
令和5年度公認心理師試験の予想問題を
作ってもらいました( ◜ᴗ◝)
過去の問題傾向から予測をしてくれていますが、
あくまでAIの作った問題である為、
勉強の息抜きに、遊んでみてください。










問題1.
ある大学生が、複数のテストで成績が低いことに悩んでいます。相談者は高校生の時には勉強が得意だったため、現在の自分の状況に不安を感じています。相談者は自分で勉強していると感じるのに成績が上がらないと悩んでおり、勉強法を改善する方法を相談してきました。この状況において、次のうちどの選択肢が適切でしょうか。

a) 相談者に対して、詳細な勉強計画の作成を支援する。
b) 相談者に対して、集中力を高めるための呼吸法を教える。
c) 相談者に対して、学習意欲を高めるために、やりたいことを明確にする練習をする。
d) 相談者に対して、過去のテスト結果から問題を洗い出し、優先的に対策を立てる。


⬇回答と解説になります。










正解は、d) 相談者に対して、過去のテスト結果から問題を洗い出し、優先的に対策を立てる。
解説:
相談者は自分で勉強していると感じるのに成績が上がらないと悩んでおり、勉強法を改善する方法を相談してきました。この状況において、問題の原因を特定して、優先的に対策を立てることが必要です。過去のテスト結果から問題を洗い出し、その問題に対する対策を優先的に立てることで、成績を上げることができるでしょう。しかし、他の選択肢にも効果があるかもしれません。たとえば、a) の詳細な勉強計画の作成や、c) の学習意欲を高めるための練習は、相談者が勉強する上で役立つかもしれません。しかし、これらの対策を立てる前に、問題の原因を特定し、優先的に対策を立てることが重要です。b) の集中力を高めるための呼吸法は、勉強する上で有用なテクニックですが、この問題の解決に直接的な効果はありません。



次の問題です。










問題2
ある30代男性が、うつ病の治療を受けています。治療期間中、医師から抗うつ薬の処方を受けていますが、服薬後に吐き気やめまいを感じるようになりました。相談者は、副作用によって治療を継続することに抵抗を感じており、治療をやめることを考えています。相談者に対して、適切な対応をするのに最も適切な選択肢はどれでしょうか。

a) 相談者に対して、副作用が治療の効果を上回る場合は、医師に相談するようアドバイスする。
b) 相談者に対して、治療を続けることが大切であると説得する。
c) 相談者に対して、副作用が出る可能性のある別の薬剤を処方するよう医師に相談する。
d) 相談者に対して、医師に相談して治療方針を見直すことを提案する。
以上の選択肢の中から、最も適切なものを選んでください。


⬇回答と解説になります。













【回答】
a) 相談者に対して、副作用が治療の効果を上回る場合は、医師に相談するようアドバイスする。



【解説】
相談者が抗うつ薬の副作用で治療を継続することに抵抗を感じているため、最も適切な対応は、副作用が治療の効果を上回る場合は医師に相談するようアドバイスすることです。治療を続けることが大切であると説得するのではなく、相談者の気持ちを尊重して、医師と一緒に副作用の軽減策を模索することが必要です。また、治療効果や副作用に関する情報は医師と相談者とで共有されるべきであるため、医師に相談することが必要です。したがって、適切な選択肢はa) 相談者に対して、副作用が治療の効果を上回る場合は、医師に相談するようアドバイスすることになります。


以上です。
如何だったでしょうか。
私はコピペをしただけで、問題文を読んだり解いたりはしていないです。
問題らしくなっていましたか?
とても面白いツールですので、
是非ChatGPTを使って遊んでみてください。















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