忍者ブログ

心理アブスト

このブログでは、心理学系の論文を簡単にまとめて紹介してます。 寝る前、電車の中など時間のある時に、更新している趣味ブログです。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

喫煙とADHD症状について











私は頭の中で何かを考えている事が多く、
疲れたなぁと感じることがありました。


この記事を書くきっかけになったのは、
2023年1月19日から禁煙を始めたことからでした。
1度だけ煙を呑んでしまいましたが、
それ以降喫煙をせず、
約1ヶ月程タバコを手放すことが出来ています。


これまで1日35本前後のタバコを吸っていましたが、
禁煙を始めてから頭の中で何も考えていない時間があることに気が付きました。

そういった体験から論文を漁り、
この記事を書きながら整理していこうと考えました。

喫煙が※ADHDにもたらす影響については、
まだ明確にされているものではありません。
あくまで体験したことからの興味関心を記事にまとめているだけに過ぎません。

その点を考慮した上で、
ご覧いただければと思います。

※ADHDとは注意力、衝動性、多動性に関する問題を含む注意欠陥/多動性障害です。










喫煙は、注意力を低下させ、不安やイライラを増加させることが知られています。

そのため、喫煙が既にADHDの症状を持つ人々にとって、症状を悪化させる可能性があります。


菅原敬一, 遠藤裕幸, 田口英幸, 金杉明子, 菊地伸宏, 山下賢治. ADHD 症状に対する喫煙と飲酒の影響に関する研究. 2015. 精神神経学雑誌. 117(11), 893-904.

では、
成人のADHD患者と非ADHD対象者に対して、
自己申告による喫煙や飲酒の状況、ADHD症状、うつ病症状などの関連について検討しています。

この論文では、ADHD患者は非ADHD者に比べて、喫煙率が高いことが示唆されました。


また、ADHD患者の中で喫煙している人は、していない人に比べて注意欠陥・多動性症状が重かったことも明らかになりました。


具体的には、
・情報の処理が遅れる
・細かい注意力が続かない
・活動に集中しづらい

・落ち着きがない
・言動が先走る
・危険を冒してでも刺激を求める

といった面で、より強く表れると報告されています。










タバコを吸うことで、気持ちがリラックスしたような感覚を得たり、集中しやすくなる感覚が得られたりと、体感としてはメリットも多いように思われます。

しかしながら、それは喫煙時による一時的なものであり、長期的にはADHD症状を悪化させている可能性が考えられます。

禁煙をすること自体がとてもストレスフルで、禁煙する方が精神衛生上悪影響だと思っていた時期もありました。

しかし、今現在としては、頭痛や倦怠感、疲れやすいといった自覚症状は無くなり、仕事への集中、思考の整理のしやすさ、言語化のしやすさなどの生活面に良い影響が見られるようになりました。

その為、成功体験が増えたり、仕事の効率が上がったことで余裕もうまれたりしたことから、ストレスを感じにくくなり、休日はこれまでよりも活発に動けるようになりました。



最後に私の経験的なものを述べてしまっていますが、私はこのような現状にあるため、禁煙をして良かったと考えています。


私と同じように、頭の中が忙しいと感じる感覚や
、言動が先走ってしまうこと、情報処理能力が悪いように感じるなどの感覚が見られる方は、1度タバコを手放してみては如何でしょうか。


私と一緒に、禁煙頑張りましょう。


今日も、これからも多分、タバコは吸いたいであろう私による思考の整理でした。


ここまで見て下さりありがとうございました。








拍手[0回]

PR

発達障害と栄養療法について



SNS上で、
発達障害はサプリ等を摂取する栄養療法により、
改善されるという書き込みを目にしました。

Googleで「発達障害  栄養療法」と検索をすると、本やブログ、クリニックでのコラムがヒットします。

その中でも、特に目にする栄養療法が、
オーソモレキュラー栄養療法というものでした。
オーソモレキュラー栄養療法とは、
どうやら日本では栄養療法の代表的なもののようで、

適切な食事やサプリメント・点滴、糖質コントロールを行い、身体を構成する細胞のはたらきを向上させ、様々な病気を治す治療法のことを言うようです。

海外では1960年代頃より盛んに行われるようになったようです。


ここまでは、ブログやコラムを抜粋し、
まとめたものになります。

実際に、どのような研究がなされているのか
探してみました。




皆大好き
CiNii  https://cir.nii.ac.jp/
で「オーソモレキュラー栄養療法」と検索をかけると2件ヒットしましたが、
2つとも書籍の情報でした。
学術書というよりも一般向けの本でした。

次に、
Google Schoral 大先生で検索をかけると62件ヒットしました。
その中でも、2022年 認知症治療研究会会紙で発表された、
【分子栄養補充およびグルテン・カゼイン除去による 認知症・発達障害治療】
では、
「認知症改善のためには抗認知症薬を投与する前に分子 栄養学に基づく薬物補充療法・食事指導およびグルテン・カゼイン除去を行うことが必須である」
と結論づけられていました。

題目にある、発達障害の治療効果については、
直接的な記載は見られませんでした。
また、サンプルサイズや記述統計などの基本情報から比較検討を行った検定手法や効果量などの明記がありませんでした。
有意差が認められたようですが、
客観的な情報として解釈をしにくい論文ではあったため、
詳細が気になるところです。
現状としては、
このような研究をされている。
までで留めた方が良さそうです。

この研究論文以外では、
発達障害と栄養療法について触れているものは
見当たりませんでした。


1960年代より
海外で盛んに行われていたとの記事を頼りに
PubMedで検索を掛けてみました。
キーワードは
「orthomolecular medicine」と
「developmental disability(disorder)」
で行いました。
しかし、1件もヒットしなかった為、キーワードを変えて検索をしてみました。

「orthomolecular medicine」で検索をすると
3件の論文がヒットしましたが、
発達障害に触れられた論文はありませんでした。

また、Google Schoral大先生を頼りに
「orthomolecular medicine  developmental disability(disorder)」
と検索をするといくつかの論文がヒットしました。
しかし、
オーソモレキュラー栄養療法と発達障害の関連について
直接的な言及をしている論文が見当たりませんでした。
もしかしたら、
orthomolecular medicineというキーワードが
海外では用いられていない可能性が考えられました。


その為、
先に紹介をした論文の
引用文献を参考に検討しようと思いましたが、
引用文献の殆ど?全て?が書籍であったため、
研究論文に当たることが出来ませんでした。

最後に、
オーソモレキュラー栄養医学研究所
という一般社団法人のHPにあたりました。
改善した症例についての記載が沢山されており、
また、症例ごとにどの栄養素が改善に有効かなどの記載がありました。
しかしながら、こちらでも研究論文に当たることが出来ませんでした。

私の検索の掛け方が悪かったのか、
上手く論文を見つけることが出来ませんでした。
もし、発達障害と栄養療法に関する直接的な言及をされている論文をご存知の方がいらっしゃいましたらコメントで
題目と著者を合わせてお教え頂きたいです。


感想として、
私はコーヒーを飲めば眠くなりにくかったり、
栄養剤を飲めば元気になった感じがしたりします。
少なからず口から摂取する物質が、
身体に影響をしていると感じることはあります。
しかしながら、
私が調べた限りでは客観的に判断をする事が出来るデータを得ることが出来ませんでした。
その為、少なくとも医師ではない、
私のような心理職から栄養療法と発達障害について言及をすることは
望ましくないと考えました。

賛否両論あるかと思いますが、
是非有識者の方々から
良い情報を頂きたいです。






拍手[1回]